78号 第35回卒業証書授与式

昨日(2/27) 第35回卒業証書授与式を挙行いたしました。そのときの式辞です。

春の息吹が感じられる今日の良き日、ただ今、卒業証書を授与いたしました335名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。また、様々なご苦労を乗り越えて、今日のこの日を待ち望んでおられた保護者のみなさまのお喜びも格別のことと拝察いたしますとともに、本校へのご理解とご協力に対しまして、厚くお礼申し上げます。

本日は、大阪府教育委員会ご代表 山下 克弘 様をはじめ、多数のご来賓の皆様のご臨席を得まして、第三十五回卒業式を盛大に挙行できますことを、心から感謝申し上げます。

さて、卒業生のみなさん 私は、三年前みなさんが本校を受検し合格したかどうか、ドキドキしながら発表を待っていた頃、教頭として合否の作業にたずさわっていました。そして、晴れの入学式を見ることなく本校を異動しました。しかし、今 みなさんと共に卒業式を校長として迎えることができ、こんなうれしいことはありません。

みなさんに、この一年間始業式や終業式で色んな話をしてきましたが、共通して言い続けてきたことは、二つです。ひとつが「あいさつ」について、そしてもう一つは「茨西PRIDE」についてです。

まず、一つ目の挨拶についてですが、私は、九月からできる限り南門の下に立って、挨拶をしてきました。「挨拶」を漢和辞典で調べると「押し開く」と書いてありました。そして、「押し開く」ってどういうことだろうと考えました。

目の前に「扉」があったら、私たちはどうするでしょう。前に進むためには、扉を押し開かなければなりません。扉の向こうには、何があるか分からないから「不安」を抱きます。不安を振り払うには「勇気」が要ります。自分から、「おはよう」や「ごめん」と声に出すには、小さな勇気がいると話したことを、思い出してください。

挨拶は、相手を好きか嫌いかはともかく、お互いに人間としての存在を認め合い、そして、分かり合おうとするための人類最強のアイテムです。人前で話すことが苦手な人もいます。でも、勇気を出して気持ちを伝えてください。これから、みなさんが経験する人生は、今まで以上にたくさんの人々と触れ合っていかなければなりません。

挨拶は、自らの成長のチャンスを広げ、そして、現代社会に於いてもっとも必要とされるコミュニケーション能力の増大につながっていくのです。自分の心を開き、笑顔で挨拶をしてください。それが自然にできるようになった時、自分を好きになることができると思います。これからの人生をより豊かにするよう、挨拶が苦手なあなたが、挨拶という行為に挑戦することを願っています。

 さて、二つ目は「茨西PRIDE」についてです。この言葉は、みなさんが入学した時には、当たり前のように使われていましたが、四月に話したように平成二十一年に合言葉として生まれたものです。今では、地域活動をするときには、ロゴの入ったジャンパーを着て「茨西」の活動をPRするのに欠かせない言葉となっています。そして、私は、「茨西PRIDE 志をカタチに 自ら気づく人を育てる」を目標にかかげ、家庭と地域を巻き込んだ教育活動の展開をめざしています。昨年の十一月には、みなさんはもとより先輩たちの長年の取り組みにより築かれた通学安全をはじめとする様々な活動が評価され、「平成二十四年度 学校安全文部科学大臣表彰」を頂きました。本当にありがとうございます。

 卒業するにあたりみなさんにとっての「茨西PRIDE」とは、何ですか? 今年から式の前に「校歌斉唱」を入れました。校歌の二番に「真理を求めて たゆみなく 励む吾等の 心意気」という一節があります。私は、これこそが「茨西PRIDE」ではないかと考えます。

限界までチャレンジする気持ち、当たり前のことっていったいなんだろうと考える力、友を思う心、やめたいと思う気持ちを乗り越えた忍耐力・・・一人一人が真理を求めて、たゆみなく思いをチカラに変えて過ごした三年間は、かけがえのない三年間です。

みなさんがこれから進む目の前には、激しく変化する世界が待ち受けています。茨西PRIDEを忘れず、志をカタチにして未来を切り拓く大人になってください。

Good luck ! 

 以上を持って卒業式の式辞と致します。 

平成二十五年二月二十七日

大阪府立茨木西高等学校長 山田 亨

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